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クラウド×デザインの力で固定資産管理に新たな光を

マネーフォワード クラウドのモノづくりのリアルを、CSOの山田一也がその中心人物たちとの対談で解き明かしていく。

「CRAFT WORKS」マガジン、第三回目の対談は、2021年6月14日にリリースとなった新サービス「マネーフォワード クラウド固定資産」の開発の舞台裏についてじっくり語ってもらいました!

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左:山田 一也(やまだ かずや)
株式会社マネーフォワード 執行役員
Money Forward Business Company CSO
中:廣原 亜樹(ひろはら あき)
株式会社マネーフォワード
Money Forward Business Company
経理財務ERP本部 副本部長
右:片倉 敦也(かたくら あつや)
株式会社マネーフォワード
Money Forward Business Company
デザイン部 ERPグループ

山田:リリースお疲れさまでした!プロジェクトがスタートしたのはいつ頃でしたっけ?

廣原:僕が入社してからなんで、去年の5月からですね。片倉さんが入ったのはいつだっけ?

片倉:6月の前半くらいから関わらせてもらいました。

山田:じゃあもうほんとに最初の頃から入られてたって感じですね。1年、長いようであっという間だったと思うんですけど、改めて振り返ってみてどうですか?

廣原:ちょっとまだ振り返る心境にはなれないんですが(笑)そうですね、あっという間でしたね。

固定資産管理は劇的に変化する可能性のある領域

山田:固定資産の領域って、昔からあるレガシーなシステムが今でも大きなシェアを持って稼働しているので、経理の方はもちろん、そこから少し離れた方からするとテクノロジーで良くなっていく余地があまりないマーケットなのかな、と思っていました。

ただ、廣原さんとお話をさせてもらったときに「全然そんなことはない」「もっとやれる余地がある」とおっしゃられていたのがとても印象的でした。改めてそのあたりのことを伺えたらな、と思います。

廣原:そうですね。固定資産の管理は、老舗の専門家が市場を独占している、参入障壁が高い領域だと思っています。業務的に難しいし、税務とかもあるし会計もあるし。。

山田:とにかく業務が難しいですよね。会計、税務、法務、経理も関わる。。

廣原:請求書の発行受領といったシンプルなサービスとは違って、気軽に入って行けない分、テクノロジーによるイノベーションが遅れている領域だと思っていて、そこに頑張って参入したら一気にこの市場自体が変わる可能性があるな、と思っていたというのがまずあります。

痒いところに手が届かない状態でも、既存のシステムがマーケットを席巻している状態なので、マネーフォワードでデザイナーさんにも入ってもらって便利にしていく、というのをやるだけで、劇的に変えられる可能性があるとずっと昔から思っていて。

なので、山田さんから固定資産のプロダクトオーナーのお話をもらったとき、いいところ頂けたって思いました(笑)

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山田:廣原さんから見て、どのあたりに既存のシステムの使いづらさがあると思われますか?

廣原:まず、固定資産の管理というと、固定資産のリストを眺めて、一件ごとに詳細な情報を見ていく、っていうシンプルに言えばその2つだと思うんですけど、この2つの行動ですら今のWebサービスレベルでわかりやすく設計されているシステムがほとんどないと思っています。

リストも煩雑で読み解くこと自体が難しいし、いざ固定資産のプロフィールを見てもなんじゃこりゃよくわからん。。みたいな複雑さがありますね。

山田:あと、クラウド型の固定資産システム自体が少ないと思うのですが、オンプレミスのシステムがクラウドになることでどんなメリットがありますか?

廣原:開発をスタートした当初から社内でよく伝えていた「みんなで使える固定資産」というコンセプトのとおり、会計・税務・総務・IT・現場っていうほぼ全ての人が違う角度で使っていくシステムなのにクラウドになっていなくて。

多分、世の中ほとんどの会社がそうなんじゃないかなと思うので、クラウド化するだけでも多くの企業の担当者を救えると思っています。

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デザイナーによる情報設計が課題を解決する

山田:テクノロジーの要素がなかなか無かった固定資産の分野で、デザイナーさんが情報設計からしっかり入って作られたプロダクトって世の中そんなにないのではと思っています。

このプロジェクトにアサインされた時は固定資産の「こ」の字もよく分からん!みたいな状況だったと思うんですけど、振り返ってみてどうですか?

片倉:固定資産の「こ」の字というか、会計の「か」字も分からない感じでした(笑)

プロジェクトに参加したのは入社して2ヶ月目だったんですけど、難しいと思う反面、廣原さんからコンセプトを伺って可能性のある分野だと思いましたし、デザインでそこにある課題を解決できたら面白そうだな、という気持ちでした。

山田:不安はなかったですか?

片倉:正直めちゃくちゃありました。固定資産の勉強もしなきゃだし、デザイナーとしてもまだ全然一人前じゃないのでその勉強もしなきゃいけない状態だったので、キャッチアップに不安を感じていましたね。

山田:マネーフォワードのものづくりの現場では、ユーザーの解像度を上げていくこととか、ユーザーを理解することを大切にしていますが、ユーザーを知るプロセスはどんな感じで進めて行きましたか?

片倉:最初の頃は、コーポレートCDOのセルジオさんと一緒に社内外でインタビューをしました。直接、固定資産に関わる業務をされている方々の声を聞いて課題感を探りながら少しずつ把握していった感じですね。

山田:元々、廣原さんはERPの開発ディレクションをされていたご経験があるので、周辺のドメイン知識を元々お持ちだったと思うんですけど、今回改めてユーザーインタビューやアンケートを行ったことで気付かれたことはありましたか?

廣原:実際に直接ユーザーの声を聞くまでは、老舗のシステムの方が実は専門家にとっては使いやすくて、僕ら素人が思っている見やすい画面っていうのは、かえって使い辛いのでは?みたいな感じで半信半疑でした。

ところが、いざヒアリングしてみると、ほぼ全ての人から「固定資産は使いやすいシステムがない」という話があったので、「あ、なるほど、そこの認識合ってたんだ!」と。

マネーフォワードで、片倉さんたちと一緒にクラウド固定資産を作ること自体に意味があるんだな、とそれを見て確信しました。

山田:実際にセールスのメンバーがお客様にご案内し始めている中で、どんな声が届いていますか?

廣原:「使いやすそうだね!」という声と同時に、まだ足りない機能がたくさんあるので「将来こういうことできるかな?」というご質問を多くいただいていますね。

セールスの方が、商談で得られた好評価や要望をすぐに共有してくれるので、モチベーションにもなりますし、まだたくさん仕事があるということを認識できるので(笑)フィードバックをいただけることがすごく嬉しいですね。

山田:PDCAを回して改善していけるのはSaaSの良いところですよね。

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マネーフォワード クラウド固定資産が見据える未来

山田:今後どういう世界を目指していくのか、固定資産周辺ではどんなロードマップを描かれていますか?

廣原:現時点ではまだ経理寄りのところを中心としたプロダクトになっているので、総務や現場の方にバランスよく価値を提供できるような「みんなが使いやすい」サービスを目指して、その空白を埋めていきたいと思っています。

山田:UX観点で、今後実現していきたいことはありますか?

片倉:固定資産において、これまでになかった見せ方や新しい表現が今の段階でもいくつかありますし(特許を出願中)、そもそも提供されてこなかった機能も実装しているので、固定資産の新たな考え方や使いやすさをさらに追求していきたいなと思います。

変化を恐れない企業のための進化し続けるERP

山田:マネーフォワード クラウドERPの話にもぜひ触れられたらなと思うのですが、クラウドERP構想を去年の夏に発表したときには、まだクラウド会計Plusしかないという状況で。

そこから一気にサービス開発が進み、去年、クラウド債務支払がリリースされ、今年に入ってからクラウド契約クラウド債権請求がリリースされました。

そして、満を持してクラウド固定資産のリリースとなったわけですが、今後、このクラウドERPをどう進化させていくのか、ビジョンや思いについてお話いただけますか?

廣原:世の中で今使われているERPの多くは、伝統的で成熟した企業向けに作られているのですが、そういった企業群は時代の流れとともにバックオフィスコストの圧縮と効率化にシフトし始めています。

一方で、マネーフォワードがターゲットにしているマーケットは、これから伸びていって日本を代表する会社になっていくような成長企業群で、これらの会社が求めているERPはまだ日本にはないし、かつレガシーなERPでは全然フィットしないんです。業態も、人も、物も、お金も、管理の仕方が急速に変化しているので。

なので、マネーフォワードは、今、そしてこれからの時代に向けたERPを作る会社であるべきだと思っています。

山田:「変化を恐れない」会社に向けたあのメッセージ、すごく良いですよね。

廣原:ぜひやりたいですね。

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山田:片倉さんは今後どういうチャレンジをしていきたいですか?

片倉:デザイン的なアプローチで、サービスのUIやUXを統一していこうとしています。これからさらにサービスが増えていくので、サービス間連携の部分のUXもあげていきたいですね。

山田:デザイナー視点で開発中一番苦労したのはどんなことでしたか?

片倉:ユーザーフォーカススクラムで開発している中で、実際にユーザーテストした時に、5人中5人が達成できなかった操作がありまして。。

業務についてしっかり学んだ上で、このUIならいける!と思って作ったものだったのですが、一から作り直しになり、もう一度テストの分析とヒアリングを元に改善した結果、次は3人中3人達成できるようになりました。

こういうところを、ユーザーに寄り添うように改善できたのは、マネーフォワードの開発の強みだなと思ったので、苦労した点ではありますが学びになったということで強く印象に残っています。

山田:ユーザーや業務に対する解像度が上がらないとそれだけ細かいところまでこだわれないし、気付けない部分だと思うので、そこをやり切っているプロダクトって本当に楽しみだなと改めてお話を伺って思いました。

これからのグロース楽しみにしています!

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