
マネーフォワードとシャトクが目指す、福利厚生サービスの未来
2024年12月、マネーフォワードグループに、SaaS型社宅管理システムを提供する株式会社シャトクが新たな仲間としてジョインしました。
シャトクが手がけるSaaS型社宅管理システムは、『マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸』(旧:『シャトク福利厚生賃貸』)へとリブランディング。マネーフォワード クラウドの人事労務領域における福利厚生サービスとして事業を展開していきます。
このnoteでは、グループジョインの背景や今後の展望について、シャトクCEOの千葉さん、シャトクCOOの柏木さん、当社HRソリューション本部 本部長の駒口さんに伺いました。
千葉 史生(見出し画像:右上)
株式会社シャトク 代表取締役 CEO
柏木 祐輔(見出し画像:左)
株式会社シャトク 取締役 COO
駒口 哲也(見出し画像:右下)
株式会社マネーフォワード 執行役員
カンパニーCMO
HRソリューション本部 本部長
出会いのきっかけ
ーーまずはシャトクとマネーフォワードの出会いから教えてください。
駒口:マネーフォワードが『シャトク福利厚生賃貸』(現:『マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸』)を会社に導入したい、という話が最初の出会いだったんですよね。
千葉:最初の出会いは、マネーフォワード グループCSO(当時CFO)の金坂さんへの営業でしたね。

千葉:シャトクは、福利厚生テックカンパニーとしてサービス開発・提供を行っています。『シャトク福利厚生賃貸』は、従業員が住んでいる物件を会社の名義とすることで、従業員の手取り収入をアップできる仕組みを活用したサービスです。
このサービスは企業のコスト削減も実現できるんです *。なので、CFO役職者や経営企画のご担当者から問い合わせを受けることが多く、当時CFOだった金坂さんにも興味を持っていただいたんですよね。

柏木:まずは私から金坂さんへサービスの説明をしました。加えて、金坂さんはマネーフォワードで資金調達の経験が豊富でいらっしゃるので、資金調達の相談をさせていただきました。
というのも、当時シャトクは「サービスのベースができてきたので、成長に向けた資金調達をやろう」ということで動いていたんです。それが2024年5月頃でしたね。

駒口:福利厚生サービスは人事労務領域に含まれます。資金調達の話も出たとのことだったので、金坂さんが人事労務領域を統括している私に相談してくれたんです。「こんなサービスの話を聞いたんだけどどう思う?」と。話を聞いて、何かご一緒できる可能性を感じました。
グループジョインの決め手となったシナジーとカルチャー
ーーそこからグループジョインの話へとどう進んだのでしょうか?
駒口:アライアンスを組むとしても、投資をするとしても、まずは一度お話ししましょうということになりました。シャトクCEOの千葉さん、当社ビジネスカンパニーCSOの山田さんを交えた会食でいろんなお話を聞けて、もっと興味が湧きましたね。

本部長 駒口 哲也
駒口:当社は『マネーフォワード クラウド』を軸にバックオフィス向けサービスを広く展開しています。人事労務領域はTM(タレントマネジメント)、ExM(従業員体験)など領域が多岐にわたりますが、当社は現在HCM(人的資本管理)のプロダクトを中心に展開しています。福利厚生サービスは、HCM領域のコアの一つなんです。

駒口:そして、シャトクはこれから成長を加速させるフェーズ。マネーフォワードが持つ顧客基盤を活用し、セールス・マーケティングを中心に一緒にサービスを拡大できるんじゃないかと大きな可能性を感じましたね。
その後、シャトクCOOの柏木さんともミーティングの機会を持たせてもらい、お互いのカルチャーもマッチしていることが分かった。その時点で、グループジョインを見据えて「マネーフォワードとがっつり一緒にやりませんか?」と思っていました。
ーー千葉さんと柏木さんは資金調達を考えていたと思うんですが、グループジョインのイメージはされていましたか?
千葉:当初はここまでイメージしていませんでした(笑)。でも、会食でグループジョインの話が少し出たんです。本当に触りというか、具体的な打診ではなかったんですが。
サービスのシナジーはもちろん感じていたことに加え、会食でのコミュニケーションを通して素晴らしい会社だと感じました。
その会食が終わったあとすぐに柏木さんに「めちゃくちゃいい会社だったよ。もしかしたらそういうこと(グループジョイン)もあるかもね」と電話したのを覚えていますね。

ーーその後、具体的な打診を受けてどう感じられましたか?
千葉:柏木さんからマネーフォワードは意思決定のスピードが速いと聞いていたものの、この短期間でここまで踏み込んだご提案をいただけるとは・・・と驚きましたね。
柏木:その頃には、一緒に事業を進めることに全然違和感はなかったですね。判断軸は大きく二点ありました。

まずはマネーフォワードと一緒に事業を進めることで、『シャトク福利厚生賃貸』の事業が伸びるかどうかという点です。『マネーフォワード クラウド』には人事労務領域があるのでシナジーを創出できますし、マネーフォワードが持つ顧客基盤やリソースは大きなプラスになります。
もう一点が、双方のカルチャーが合っているかどうかです。一緒に意思決定をしていくうえで重要なポイントですが、マネーフォワードの皆さんとコミュニケーションを重ねる中で、意思決定の速さや人柄を知り、マッチしそうだと感じていました。

駒口:グループジョインの話が出てからクローズまで、3~4ヶ月でトントン拍子に進みましたね。
コトに向かう、お互いのカルチャー
ーーお互いの印象はどうだったのでしょうか?
千葉:マネーフォワードの皆さんからは「フェアネス」をすごく感じます。皆さんコトに向かってお話しされている印象で。会食の場ですら、めちゃくちゃフェアネスを感じました。
シャトクのメンバーも、「誰が言うか」ではなく「何を言うか」を大切にしています。カルチャーは似たものがあるなと思いました。

千葉:あとは、皆さんの口から出てくる言葉が圧倒的に主体的。自分ごとになっているなと感じました。ボトムアップで自由に事業をつくって、ここまで会社を大きくしてきたんだろうなと感じましたね。
駒口:千葉さんはシャトクの創業社長ですが、とても謙虚で、メンバーと対等な目線で事業をされていますよね。だからこそトップダウン型の会社ではなく、マネーフォワードのようなボトムアップ型の組織やカルチャーとフィットすると思いました。
柏木:「ユーザーフォーカス」もすごく感じます。マネーフォワードの皆さんと一緒のミーティングでは、矢印が自分たちではなく外に向かっているなと感じます。
「結局ユーザーにとって何がいいんだっけ」というユーザーフォーカスな視点がブレることなく、フェアに意思決定する。皆が同じゴールに向かっているからこそ、意思決定がブレずにスピーディーにコトが進むと感じますね。

ーー実際に一緒に仕事をする場面が増えて感じることはありますか?
柏木:いい意味でギャップがあったのはスピード感です。スタートアップが大きい会社に勝てるのはスピード感だと思うんですけど、マネーフォワードはここまで組織が大きくなってもうちとスピードが変わらないなと(笑)。そこは勝てるかなと思っていたので少し残念です(笑)。
駒口:僕からしたら、シャトクのメンバーは私たちの三段階速いですね。意思決定、リソース確保、何かPDCAを回すなど。それこそ柏木さんもそうですが、一週間ほど時間を見ていたお願いをその日中に実現していたりして(笑)。本当に速くてビビります(笑)。
『クラウド福利厚生賃貸』の可能性と展望
ーー『シャトク福利厚生賃貸』は『マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸』に生まれ変わりました。今後サービスをどう展開していきたいかなど展望はありますか?
柏木:いま「手取りを上げる」というのが世の中のテーマとしてありますよね。『クラウド福利厚生賃貸』はその選択肢になるものだと思っています。企業がコストアップすることなく、社員の手取りアップのためにすぐに実践できる手段の一つです。
一方で、この仕組みは世の中に知られていないし、理解もしづらいです。本当に良いサービスだということを世の中にどれだけ伝えていけるかが、大きなチャレンジになってくると思いますね。

駒口:この仕組みって、従業員にとっても会社にとっても、間違いなく大きなメリットがあると思っています。それが世の中のノーム(標準)になっていないだけで。
世の中の大企業で、この仕組みを導入している企業はたくさんあります。だけど、中堅企業や中小企業では、人員に余裕がないなかで「社員の賃貸ごとに会社が物件オーナーと交渉して、契約して、毎月支払い代行して・・・」というオペレーションコストは払えません。
そこを『クラウド福利厚生賃貸』によるテクノロジーと仕組み化で可能にする。これまで中堅・中小企業には閉ざされていた状況を切り開くというのは、社会的意義が大きいとも思っています。

ーー『クラウド福利厚生賃貸』を広めていくうえで、どんなことがポイントになるのでしょう?
駒口:カスタマーサクセスがとても重要になると思います。このサービスは、お客さまが発注しても、従業員が住んでいる物件の契約などが自動的に切り替わるわけではありません。
導入先の従業員の皆さまに「このサービスなら安心して使えるね」と理解いただき、それぞれの物件オーナーさんにも交渉して理解いただいて、やっとサービスを利用していただけます。
そこまでしっかりとお客さまに伴走し、丁寧にサポートしていくサクセスマインドがとても大事になるんです。これを、シャトクとマネーフォワードに共通する“顧客に寄り添うカルチャー”で乗り越えていけると確信しています。

ーー最後に、人事労務領域における今後の展望についても教えてください。
柏木:福利厚生の領域でいうと、企業は『クラウド福利厚生賃貸』だけでは解決できないさまざまな課題に直面しています。私たちのサービスで福利厚生全体をサポートできるような事業にしていきたいですね。
駒口:『マネーフォワード クラウド』の人事労務領域は、「働くすべての人に、頼れるパートナーを。」をビジョンに事業を進めています。働くすべての人が頼れる、より安心して働ける仕組みや環境の提供をどんどん進めていきたいですね。

『マネーフォワード クラウド』の人事労務プロダクトを手がけるHRソリューション本部は、一緒に働く仲間を募集中です。私たちのミッションやサービスに共感いただける方からのご応募をお待ちしています!