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グッドデザイン賞受賞!ユーザー体験にこだわった『マネーフォワード Pay for Business』のデザインへの想い

こんにちは!マネーフォワード ビジネスカンパニー コミュニケーションデザイン室の白石です。

2022年10月7日、SaaS基盤を活用したFintechサービス『マネーフォワード Pay for Business』が、2022年度グッドデザイン賞を受賞しました!

今回は『マネーフォワード Pay for Business』を手がけるPay事業本部本部長の黒田と、デザイナーの松永に、デザインに込めた思いやこれからの展望について話を聞きました!

右:黒田 直樹(くろだ なおき)
株式会社マネーフォワード
執行役員 福岡拠点担当
Pay事業本部 本部長

左:松永 奈菜(まつなが なな)
株式会社マネーフォワード
Pay事業本部 兼 
マネーフォワードビジネスカンパニー デザイン室

グッドデザイン賞受賞を受けて

ーーグッドデザイン賞の受賞、嬉しいですね!まずは受賞の感想をお願いします。

黒田:『マネーフォワード Pay for Business』の使いやすさや、驚きをユーザーに届けたいという思いで作ってきましたので、それが評価していただけたことが嬉しいです。

ーー昨年『マネーフォワード クラウドERP』がグッドデザイン賞を受賞していますね。今回、応募したきっかけは何だったのでしょうか?

松永:マネーフォワード執行役員 CDO(Chief Design Officer)のセルジオさんが、今年も応募してみないかということできっかけをくださって、『マネーフォワード Pay for Business』は世の中に高い価値を提供しているプロダクトだという自信があったので、手を挙げました。

受賞できて、ホッとしたというのが正直なところです。社内でも多くの方が関わってきたプロダクトですし、関わっているメンバーや同じチームのメンバーに良い報告ができて良かったです。

『マネーフォワード Pay for Business』とは

ーー今回受賞した、『マネーフォワード Pay for Business』について、どんなサービスか改めて教えていただけますか。

黒田:『マネーフォワード Pay for Business』は、これまでマネーフォワードが提供してきた『マネーフォワード クラウド』のデータを活用したFintechサービスです。第一弾として、個人事業主・法人向けの事業用プリペイドカード『マネーフォワード ビジネスカード』を提供しています。

通常、企業が法人用クレジットカードを作るのは審査や手間がありハードルが高いのですが、『マネーフォワード ビジネスカード』はプリペイド式のカードなので与信審査が不要で、設立まもない企業や中小企業などでも法人カードを作ることができます。

また、『マネーフォワード クラウド経費』や『マネーフォワード クラウド会計』とデータ連携することで、カードの決済情報がリアルタイムに連携されます。これにより、これまで分断されていたバックオフィス業務と決済処理がシームレスに繫がるユーザー体験を実現しました。

お店でカード決済をすると、経費精算に必要なデータがリアルタイムで届く。その場でレシートの写真を撮影すれば、そのまま紙のレシートは捨てて良い。そのような世界観を目指してきましたが、ペーパーレスと自動化によって究極の経費精算は現実のものとなりました。

ーーどんな方に使っていただきたいですか?

黒田:これまで与信審査が心配でクレジットカードを申し込めなかったスタートアップや中小企業もそうですが、支払いのキャッシュレス化ができていないために、業務負担が大きかった方にもぜひ使っていただきたいです。

従業員を抱える企業にとっては、現金払いや立替経費をなくすことができますので、経費精算の効率化ができます。

その他にも、キャッシュレス化することで、決済データがすぐに取得でき蓄積されるので、蓄積したデータをもとにBtoB決済サービスなど、我々の得意分野であるFintechを掛け合わせた、今までにない付加価値のあるサービス提供ができると考えています。

オンラインとオフラインにまたがる、ユーザーとのすべてのタッチポイントをデザイン

ーー松永さんはデザイナーとしてどのように関わっていたのでしょうか?

松永:当時は、本部長の黒田さんと、ビジネス全般の事業責任者の堀さん、そして開発メンバーしかいない、小さなチームでした。これからユーザー体験を作っていこうというタイミングで、一人目デザイナーとしてチームにジョインしました。

お客様とサービスとのタッチポイントになるところには、すべて関わっています。

開発メンバー内だけではなく、カスタマーサポートや、パートナー企業、社内の法務チームなど、色々なところに協力していただく必要があったので、そうした人たちとのハブのような存在になれるよう意識していました。

ーーどのようなデザインを目指しましたか?

松永:まずは信頼感のあるサービスとなることを目指しました。やはり決済を扱うサービスなので、信頼して使うことができる体験になるように気をつけていました。 

ユーザーの方が見る画面だけではなく、本人確認の審査画面や、『マネーフォワード ビジネスカード』のリアルカードもあるので、オンラインとオフラインをまたいだユーザー体験を考える必要があります。そのオンラインとオフラインをまたいだデザインに携われることが、自分としてはとても楽しかったです。

プロダクトのリリース前、黒田さんが完成したカードを使って会社近くのコンビニで初めて決済をしたときは、オンラインとオフラインが繋がった感覚があって本当に嬉しかったです。その瞬間はチーム内でも沸きました。

申込から利用まで、すべてのユーザー体験に信頼感を

ーーデザインのポイントを教えてください。

松永:いかに信頼していただけるユーザー体験をデザインできるかということを追求しました。プロトタイプをさまざまな立場の人に見てもらって、ユーザーの声を取り入れつつ、かつしっかり信頼感のあるサービスになるよう、少しずつ少しずつ何度もブラッシュアップをしていきました。

デザインをしていく中で、制約や条件などもあります。たとえば、本人確認をするeKYC審査の管理画面は、手軽さやわかりやすさと同時に、審査すべきところを審査できているかという観点も重要です。この点は法務担当にも協力していただいて、一緒に確認しながら作りました。

カードの券面も、印刷の関係で制約が多い中、どうデザインしていくかが難しいところでもあり、工夫したところでもあります。会社で実際にカードを使う人からアンケートを取ったり、社内のデザイナーに壁打ちしてもらったりして決めていきました。

プロダクトづくりにおいて、ユーザーの声を聞くということをとても大切にしていました。マネーフォワードのVALUEの一つに「User Focus」とあるように、他のデザイナーも皆が体現していますね。

ーーリリース後、ユーザーからの反響はいかがですか?

松永:皆さんおっしゃるのは、申込がすぐ完了したということですね。特に迷うことなくスマホだけで申込が完了して、すぐにカードが送られてくる。その体験を評価してくださる声が多いです。また、UIがシンプルで分かりやすいともよく言っていただけます。

黒田:今年7月には「あと払い機能」をリリースしましたが、画面上で伝えたい情報が増えたため、どうしたら一番ユーザーにとって分かりやすいのか、話し合いを重ねました。

結果的にかなり分かりやすい画面になったと思います。ユーザーから分かりにくいというフィードバックもほぼありません。複雑なものをいかに分かりやすく伝えるかというところは、本当にデザインの力だと思いますね。

デザイナーの枠にとらわれず、共創して開発していく

ーー今後どんなデザインを生み出したいですか。

松永:デザイナーとしては、マネーフォワードだからこそできること、できる体験を作っていきたいです。

『マネーフォワード クラウド』は他にもたくさんのプロダクトがあるので、例えば『マネーフォワード クラウド会計』や『マネーフォワード クラウド経費』などと『マネーフォワード ビジネスカード』をもっと滑らかに繋げるようにすることで、より一貫性のある体験を作っていきたいです。

チームとしては、引き続きビジネスシーンのキャッシュレスを推進して、お客様の業務効率化を目指していくことと、 世の中に価値のあるものを生み出すことに取り組んでいきます。

ーーチームづくりにも力を入れていますね。

松永:私がチームにジョインした後、皆が同じ志を持ちながら開発できる状態を持続させるために、チーム内でワークショップを実施し、チームのミッション・ビジョンに加える形で「Frontier Spirit」「Trust」「Co-creation」という3つのバリューを策定しました。実際にこれらの姿勢を推奨し、讃え合うチームになれていると感じます。

今後は他のプロダクトと連携したり、他のパートナー企業さんと協力したりする場面もさらに増えると思いますので、「共創」がとても大事になると考えています。チームメンバーの一人ひとりが「共創」を大切にしながら開発していきたいと思います。

マネーフォワードには、良いプロダクトを作るため、課題を解決するためだったら、デザイナーの枠を飛び越えてなんでもやらせてもらえる環境があって、自由に動けるのが楽しいところです。

「SaaS×Fintech」によってシームレスで最高なユーザー体験を提供する

ーー最後に、『マネーフォワード Pay for Business』の今後の展望を教えてください。

松永:ビジネスシーンのキャッシュレス化に貢献したいと思っています。

マネーフォワードは、これまで『マネーフォワード クラウド』を通じて経理財務・人事労務・契約など幅広い領域でバックオフィス向けSaaSを提供してきました。そんな、マネーフォワードだからこそ、企業との繋がりを活かして国内全体のキャッシュレス化の推進に貢献できると信じています。

黒田:企業のキャッシュレス化に貢献していくだけでなく、『マネーフォワード Pay for Business』を通じて、企業間取引におけるデータをSaaSに蓄積していくことで、新たな付加価値のあるサービス提供ができると考えています。今後は、SaaSと金融を滑らかにする「Embedded Finance(=組み込み型金融)」と呼ばれるような領域にも挑戦していきたいです。

「給与のデジタル払い」の解禁についても報道がありますが、 その分野にも可能性を感じています。『マネーフォワード Pay for Business』を介して、振込や支払いをシームレスに行うことができれば、非常に良いユーザー体験を提供できるのではないかと思います。

いま実現できているのはまだ本当に第一歩にすぎなくて、やることがたくさんあるのでこれからが楽しみです。


ユーザー体験にこだわり抜いてデザインされた、『マネーフォワード Pay for Business』が見据える未来は、ビジネスシーンでの業務効率化にとどまらず、私たち一人ひとりの生活に新しい価値や体験をもたらしてくれそうだと、期待に胸が膨らむインタビューとなりました!

『マネーフォワード Pay for Business』の詳細は以下よりご覧ください。
URL:https://biz.moneyforward.com/biz-pay/